2016年09月30日

知ったかぶりはクリエイティブ ちはやふる

ご訪問ありがとうございます。
落語の旅人、庭乃雀でございます。

最近好きな番組にプレバトというのがあります。
そのなかでも特に俳句のコーナーは、毎回ため息が出るほど感動します。
芸能人の方が作った俳句を夏井いつき先生が添削されるのですが、
これが素晴らしい!
目から鱗、頭のふたがぱかっと開いて世界がどど〜んと広がるのです。
地面の砂粒から宇宙の星屑まで一気に視野が広がる感じです。
なんだか俳句って奥深く広く高く、神様の視点だなあと思います。

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日本の文化は引き算の美学です。
そぎ落としてそぎ落として、これ以上はという限界までにし、
凝縮されたものが残る。
そぎ落とした結果、五七五の中に宿った珠玉の言葉。
目に見えないけれど行間にも沢山の言葉のエッセンスが。
その行間を日本人は味わうのです。
小説でも、人との関係でも同じだと思います。その行間を読むのです。
潔く豊かな、なんと高度な文化でしょう。

だから日本人にメールという文化はピッタリはまったのだと思うのです。
最短の文面に思いを込めたりする感性は、日本人のDNAの中に
きっちり埋め込まれてるんじゃないかなあ
というのは、かねてより雀の持論でございます。

チュンチュン

今回のお題は、俳句ではなく短歌がテーマのお噺です。
俳句より14音多いみそひともじで世界観を表現します。
その高尚な歌をテーマに綴られた爆笑大巨編でございます。
雀は福笑さんのが大好きで、何度聞いても飽きません。
知ったかぶるということは、ある意味高度な文化やもしれませぬ。
即興で頭をフル回転させなければいけませんからね。
ちはやぶるで知ったかぶる・・・
決まったぁ!(≧∀≦)

チュンチュン

さてさて
近頃百人一首に凝っているという男、近所では物知りで通ってる甚兵衛さんに、
『ちはやふる 神代もきかず竜田川 唐紅に水くくるとは』という
歌の意味を教えてもらいにやってきます。

甚兵衛さん、ホントは短歌のことなどあまり詳しく知りません。
けれど、近所の人から物知りと言われている手前、知らないとは言えません。
ここが中途半端に物知りの知ったかぶりのつらいところ。
のらりくらりと、説明にならない説明を並べていると、
「だから歌の意味を!」と言われて、そこから大創作物語の始まりです。

竜田川というのは実は相撲取りの名前で、千早という花魁に恋をして
ふられてしまう。仕方がないので千早の妹でこれまた花魁の神代に
いいよったけれど、彼女もいうことをきかない。

失恋の痛手を背負った竜田川は、故郷に帰って、家業の豆腐屋を継ぐことに。
一生懸命働いて三年の月日が経った頃、店先にボロをまとって
杖に取りすがって立つ女がひとり。
しばらく何も食べていないのでおからを恵んで欲しいという。
竜田川、快くおからを手渡してやろうとしてその顔を見てびっくり!
なんとあの吉原で彼を振った千早太夫の成れの果てでした。

あの時の悔しさが蘇ってきた竜田川は、おまえなんかにくれてなんかやるものかと
おからを床に叩きつけました。

その瞬間、己の行末を悲観した千早は、側にあった古井戸に身を投げて
(水潜って)死んでしまいましたとさ。

とまあ、すごい展開な物語です。
元歌を遥かに超えてこれだけの話を即座に創れるなんて、
甚兵衛さんは想像力豊かですよね。


『千早振る、神代も聞かず、竜田川。おからくれずに水潜るとは』
(  ゚∀゚)ふはははは!

知ったかぶりはクリエイティブという結末であります。

あそうそう、
なんとかかんとかこじつけ、我ながらようできたと悦に入っている甚兵衛さん。
もう一つ最後に「とは」が残ってまっせ。

「あーそれな、それは千早の本名や」

チュンチュン

【本日のよもやま】
『ちはやふる』 作者は在原業平。
光源氏よりも超男前でプレイボーイやったとか。

在原業平と言えば、伊勢物語を思い出します。
昔、男ありけり・・・
業平が作者だという説もありますが、定かではありません。
でも業平がモデルになっていることだけは確かだそうです。

で、興味深いことに、この伊勢物語全体を通して
『ちはやふる』の歌が功名に隠されているのだそうです。
謎の暗号!?
伊勢物語は和歌と数学を駆使した暗号文になっている!
なんだかダビンチコードみたくなってきましたよ。
一体何のために? 誰に何を伝えるために?
ワクワクしますね〜

甚兵衛さんに訪ねたらどんな答えが返ってくるのでしょう?              
知ったかぶりをしようにも、高度すぎて雀には無理です。
どなたぞ、詳しい方があれば教えてくださいませ。

『ちはやふる』ほんとの意味は・・・
不思議なことが当たり前のように起こっていた、いにしえの神代でさえ、
こんな不思議で美しいことは起きなかったに違いない。
まるで竜田川の流れが、舞い落ちた紅葉を乗せて、
鮮やかな唐紅の絞り染めになっているようだ。

と詠われるほど美しい秋の竜田川は、奈良県生駒郡斑鳩町竜田、
竜田山のほとりを流れる川です。
JR王寺駅から、奈良交通バスに乗って竜田大橋下車。
言わずと知れた紅葉の名所となっております。
法隆寺に斑鳩の里、奈良屈指の観光地でございます。

でもこんなに美しい風景を目の前にしても、このお噺を思い出したら、
笑いがこみ上げてくるのをとめられないかもしれません。(≧∀≦)

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posted by 庭乃雀 at 20:33| Comment(0) | 奈良編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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