2017年01月26日

商売繁盛で笹もってこい♪ 十日戎あれこれ

ご訪問ありがとうございます。
落語の旅人、庭乃雀でございます。

お正月気分が薄らいできたころ、やってくるのが十日戎です。
1/9,10,11の3日間、再び街は賑わいます。
地元の堀川戎さん、天満宮の戎さんにはもちろんお参りするのですが、
日本橋生まれの雀、今宮戎も外すことはできません。

スポンサーリンク





地下鉄堺筋線 恵比寿町駅下車。
5番出口から出ると、すぐ美味しそうな天ぷら屋さんがあります。
いつもめちゃくちゃそそられますが、お参りの後のお楽しみ。
そのお店の角を曲がると、今宮神社への参道となっております。

参道の途中に、小さいですがとても気持ちのいいお寺があります。
狭い境内にたくさんの人、参道までお参りの行列が続いてます。
ここは毘沙門堂浪速寺と申しまして、毘沙門天をお祀りしているお寺です。
えべっさんの時は、福笹ならぬ毘沙門天に因んで福虎を授与くださいます。
こちらのお参りもすませ、参道に戻りましょう。

程なく軽快な音楽が聞こえてきます。

♪商売繁盛で笹もってこい♪ のヘビーローテーション。

よそのリズムとちょっと違います。どこよりもファンキーです。
それもそのはず、ベースはなんとレゲエなのです。これがまたよくあってる。
レゲエは体が喜ぶ音楽。めちゃくちゃハッピーな気分になれます。
だからえべっさんにぴったりだと思うのです。

聞くところによるとえべっさんは、耳が遠いのだとか。
なので壁をどんどん叩いてお願いごとしないと聞こえないそうです。
本殿裏にまわると、『壁たたき』のためのボードが用意されてます。
ここもまたえらい人で、もみくちゃにされながら壁を叩きます。
聞こえましたか?えべっさん!
レゲエのリズムにえべっさんも踊り出してるのじゃないでしょか♪
今宮戎最高!

今宮では、授与所で福笹を無料で配ってくださいます。
ありがたいことですが、ここで笹争奪戦が始まります。
くださった笹が気に入らないと平気で「変えて!」
とかいうのです、大阪のおばちゃんたちは。
それで捨てられた笹が足元にうず高く残っているさまは、なんだかなあ〜です。

笹を手に入れたら、次は吉兆と呼ばれる小物をつけてもらいます。
銭袋に小判、米俵、大福帳等々、こちらは有料。
あれもこれもとつけてもらうと、あっという間に5,000円は超えてしまいます。

吉兆をつけてくれる福娘さんは、毎年オーディションで選ばれる
とびきりのべっぴんさん。ついついたくさん頼んでしまいますね。
雀が思うに、今宮は特にこの福娘さん選びに力をいれているようにみえます。
最近は福娘目当ての方も多く、アイドル撮影会のようになっておりますよ。

今宮戎.jpg

♪十日戎の売り物は、はぜ袋に取鉢、銭かます、小判に金箱、立烏帽子、
米箱、小槌、たばね熨斗、笹をかたげて千鳥足♪ とな。
『十日戎』という俗謡でございます。どんなメロディなのかなあ。

チュンチュン

さてさて

戎さんの出てくるお話はたくさんあるみたいですが、そのなかから小咄をひとつ。

十日戎のにぎわいは大変なもので、みんな戎さんに福をおねだりしにやってきます。
戎さんにしてみれば

「おまえたちにそない配る福があるぐらいなら、
こんな大きな賽銭箱なんか置きゃせんわい」

などと思ってらっしゃるかもしれません。

あんまり参詣人が多いので、息苦しくなった戎さん、
いっぺん外に出てみようと拝殿をお出ましになりました。

「いやあ〜なるほど、えらい景気じゃなあ」

たくさんの人でにぎわう参道に、並ぶ屋台をみてまわります。

「きれいな飴じゃ。いくらかな?」「へえ五銭です。」
一円札を出して、九十五銭のお釣りをもらいます。

「岩おこしがおいしそうじゃなあ。何ぼじゃな?」「へえ、五銭でございます。」
一円札を出して、九十五銭のお釣りをもらいます。

「鯛焼きか、ええにおいがしているなあ。何ぼじゃ?」「へえ、五銭でございます。」
一円札を出して、九十五銭のお釣りをもらいます。

そうして店を回って、一円札ばかり使います。

なんでかというと、「戎さんは釣りが好っきゃなあ」 ちゅうてね。

チュンチュン

【本日のよもやま】
戎さんや七福神の出てくるお噺は、ちょっと艶っぽい小咄が多いみたいですね。
本日のお題に選んだ小咄は、橘ノ円都さんがなんと90才の時の高座、
『ぞろぞろ』の枕で話されていたお噺です。『十日戎』の歌も披露されていたようです。
音源あるなら聞いてみたいですねえ。

今宮戎はいまでこそ商売の神様ですが、昔は違いました。
そもそもは聖徳太子が四天王寺の西方の守護神として創建し、
市場鎮護の神としても祀られたとあります。

四天王寺の西はすぐ海で、戎さまは海の神様、漁業の神様でした。
今のように商業の神さまとなられたのは、室町時代のこと。
十日戎の祭礼が始まったのは江戸時代に入ってからです。

島之内、船場の商人たちが船で諸国に出向くおり、
旅の安全と商売繁盛を戎さまに祈願したことから、えびす講が広まります。
大阪商人が活躍し、大阪が商業の町として繁栄していくとともに、戎さまは
商売繁盛の神様となっていかれたというわけですね。

元禄の世に今に続く華やかで賑やかな十日戎のかたちが出来上がります。

商売繁盛で笹もってこい♪のお囃子が生まれ、
参道にたくさんの出店が並び、芸妓衆をのせた宝恵駕籠パレードがはじまり、
その様子は『摂津名所図会』にもみることができます。
今も昔も商家の人にとっては一年で一番大切な祭礼かもしれません。

ところで、えべっさんといえば鯛。
今宮さんでは三百年の昔から、ざこば魚市場から雌雄一対の鯛が奉献され、
境内では古式に則って縁起の良い初競りも行われます。

西宮戎では鯛とともに立派なマグロも奉納されますね。
十日戎の三日間、境内に鎮座ましましているその体にはたくさんの硬貨が!
お賽銭として、参拝客が貼付けていくのです。
“お金が身につく”という縁起担ぎだとか。

それにしても、後どうするのかな〜食べられるのかな〜?
そこが気になる雀でした。

チュンチュン

スポンサーリンク



posted by 庭乃雀 at 02:36| Comment(0) | 大阪編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする